独りぽっちの裸のメロDIEー

あんたは寂しくはないかい? あんたは愛に生きているかい? 僕はね。僕は生きてる。生きてるのに死んでる。 そんな独りぽっちの夜に逃げ場所を探し求めて、 「寂しがり屋日本代表」KUSOGAKINGが放つ愛と孤独と裸のクソッタレた言葉達。にゃんにゃん。

愚痴流 第5章

皆さんには大切な友達はいますか?

心から大切だと思える友達はいますか?




年末にグチ(あだ名)が帰ってきた。おぃらや親友の光(あだ名)やグチやその他もろもろで集まる事を「愚痴流」(グチル)と言う。


毎年。お盆や正月に繰り広げられるこの戦いは自分との戦い。アルコールとの戦い。限界との戦い。

 


「愚痴流」事ができるのは1年のうちで正月とお盆だけの短い期間だけ。だけどね。おぃらにとって「愚痴流」は本当に大切な空間。大切な居場所なんだ。

 

いつ会っても相変わらずなおぃら達。相変わらずなグチの部屋。相変わらず男臭い空間さ。男臭いし酒臭いしどうしようもねぇ。

 

だけどね。おぃらにはこの男臭い「愚痴流」が必要だ。こんな事ね。こっ恥ずかしくてね。口に出してなんか言えないけどね。正月とお盆はね。この空間がないと始まらない。




今年はなんだかいつもと違う感じがした。おぃらは年末は忙しくてね。光はノロウィルスにかかっちまって家を出れねぇ。子供が産まれたばかりの真基(あだ名)も今年は遊べなさそうだ。皆、いろいろあってさ。集まれそうにもなかった。しょ-がね-から元旦の夜中にグチの家に1人で行った。会ってない間のお互いの日々を語り合う。グチは何も変わらね-。変わらね-けどね。環境は変わっていく。皆、それぞれの生活があってね。環境は変わっていく。

 

何の約束もしてなくてもね。毎日のようにね。自然と集まれていた時が懐かしい。同じような会話をしてね。同じ瞬間に笑う。おぃらだけじゃなくてね。光もグチもこの空間を好きでいてくれてんのかな?って思えたんだ。

 

例えばね。今おぃらの周りにいる奴等なんてね。携帯電話が無いと繋がれてないような奴等ばかりだ。電波がないと繋がれてない関係だ。薄っぺらいのかもね。だけど「愚痴流」はきっと携帯電話なんて無くてもね。集まれる。そう思えたんだ。



だけどそんな空間もね。状況と共に移り変わっていく。悲しいんじゃないんだ。寂しいんだ。グチと2人きりの空間が嫌じゃないんだ。なんだかね。寂しいんだ。




今年は集まれないなと思った明くる日の夜中。光から電話がかかってきた。「遊ぼうぜ!!」。グチを叩き起こしてカラオケに行った。

 

夜中からカラオケに突撃した。おぃら達のカラオケと言やあ命と名誉の削り合いだ。一歩間違えりゃあ一生の恥をかきかけねぇ。
この日もカラオケで得点の1番低かった奴が罰ゲーム。

 

部屋のドアを開けたまま1曲熱唱。タバスコ1本まるまるかけたピザを食べる。アルコール度数50%のウォッカをイッキ飲み。昔の彼女に真夜中の電話。

 

洒落にならねぇ罰ゲームが繰り返される。おぃらはタバスコ全快のピザを食べさせられちまったんだけどね。唇が腫れちまって痛くてたまらなかったよ。3人共酔い潰れたカラオケの密室は酒臭くてたまんなかったな。



例えばさ。ずっと光やグチと一緒にいれたらね。おぃらは今程寂しくもならないかもしれないよ。だけどさ。そういう訳にもいかない。いつまでこうして休みを一緒に過ごせるのかも解らない。だけどね。ずっと続けばいいな。こんな馬鹿みてぇな事。いつまでもしていてぇな。自分を押さえて我慢してさ。そうでもしねぇとやっていけねぇ社会。自分でいれる居場所を残していたいな。

 


おぃらが心を開いた奴等はどいつもこいつも皆あっという間に消えて行っちまう。せめてこの空間だけはおぃらに残していておくれ。いつまでも。

 


グチは4日に帰って行っちまったよ。「気よつけて帰れよ」とグチにメールをしたら珍しくグチからメールが来た。

 

「今新幹線
じゃあ元気でな
世話んなった
また盆な」

 

絵文字や顔文字の1つさえもねぇ素っけねぇ文章。お前はロボットかって言いたくなる文章。なのに少し心が暖かくなったよ。

 

ありがとな。
おぃらも頑張らないと。最高の仲間達に負けないように。

 

今日のお薦めBGM=石崎ひゅーい「夜間飛行」