独りぽっちの裸のメロDIEー

あんたは寂しくはないかい? あんたは愛に生きているかい? 僕はね。僕は生きてる。生きてるのに死んでる。 そんな独りぽっちの夜に逃げ場所を探し求めて、 「寂しがり屋日本代表」KUSOGAKINGが放つ愛と孤独と裸のクソッタレた言葉達。にゃんにゃん。

聖なる夜に唾を吐く

何年か前のクリスマス。仕事をしていても何をしていても落ち着かなかった。恋人達の幸せそうな顔が苦しかった。別れた彼女が恋人と一緒にいるのを見るのが恐くてたまらなかった。神様は意地悪だからね。おぃらは現実逃避をする事しかできずにね。ただ呆然とサンタさんにお願い事をした。

 

「幸せになれますように」

 

サンタさんはこんなおぃらの願い事なんて聞いてくれるわけもなく。ただ孤独がおぃらを襲った。それでもね。なんだか不思議とおぃらは冷静にいた。これは罰なんだと。当然の酬いだと。そぅ思えてしまう自分がいたから。幸せにはなれない。幸せになる権利なんてない。だからね。せめてサンタさんにお願いした。おぃらが愛した人。おぃらが大切だと思える人だけは「幸せになれますように」。だけどね。おぃらを優しい人だなんて思わないで下さい。おぃらはただ脆い人。冷たい人。ただ君には笑っていて欲しい。それだけなんだ。




その年のクリスマスの夜。仕事をせっせと頑張っていたおぃらに電話がかかってきた。受話器の向こうからは涙を流しながら話す震えた声が聞こえた。「助けて」。おぃらにはそんな悲痛な叫びが聞こえてきた。彼女と連絡が取れないと言う彼氏。会うのは何年ぶりだろう。仕事が終わりおぃらは心友の光(あだ名)との約束を断りすぐに彼の元へ向かった。3年近くも付き合っている2人。前日も一緒にいたのにね。クリスマス。彼女は仕事にも行かずに音信不通で消えてしまった。彼は車の中で泣いていた。本当に哀しい声。涙。


彼がおぃらを頼って来てくれたのはね。きっとおぃらが同じ想いを知っているから。かけがえのない大切な人を失った事を知っていたから。おぃらは素直に嬉しかった。頼ってくれた事。必要としてくれた事。そして彼の気持ちが本当に痛い程解ったからね。おぃらは心から祈った。一緒にいてあげる事。話を聞いてあげる事。そんな事くらいしかできなかったけどね。どうにかしてあげたい。なんとかしてあげたい。おぃらと同じ想いをさせたくない。こんな辛い想いをさせたくない。本当に心からそう思った。サンタさんに祈った。

 

 

「助けてあげておくれ」。

 

 

見返りも。何も求めずにおぃらは彼の幸せを願えた。例えば彼が仕事で失敗したりね。片想いの相手に失恋したりしてもね。おぃらは彼の元には行かなかった。長い時間を一緒に過ごした人。本当に大切な人を失いそうだからこそなんとかしてあげたいと思った。その絶望も苦しみもね。きっと同じ様な経験をした人にしか解らない。ただの恋でもね。愛でもないと思う。彼にとって彼女が全てで彼の世界は彼女のいる世界。そうなんだと思った。彼の流す綺麗な涙がそう語っていた。おぃら達は2人きりで真夜中まで車の中にずっといた。そして次の日。おぃらは仕事が終わり。また彼と会った。本当におぃらがしてあげられる事なんてね。小っぽけな事しかなかった。何の役にも立てなかったかもしれない。だけどね。ほんの少しでもいい。誰かの役に立てるなら。誰かの為に何かができるなら。この時はね。そんな事でしか自分の存在を確かめる事ができなかったのかもしれない。




ダレニモヒツヨウトサレテイナイ。




そんな言葉が頭から離れないから。この日も朝方まで2人でただ車の中にいた。何時間も何時間も。彼はただ泣いていた。心の中でも泣いていた。



何日かして彼から連絡がきた。無事に彼女と連絡が取れて一緒にいれるようになった事。ありがとうと。あまり詳しい事は知らない。それ以来。話もしていない。どこか寂しい気持ちもある。だけどね。本当に良かった。心から良かった。そう思えるんだ。だってこれ以上の哀しみは無い。これ以上の絶望は無いもん。死ぬ事よりもきっと辛いと思う。おぃらは別にただ優しい人じゃない。いい人でもない。ただおぃらみたいにはなってほしくない。

 


それ以来。彼とは会う事も連絡を取る事もほとんどなかった。そんな彼からつい最近。連絡があった。今は当時の彼女と別れて同じ会社の子と付き合っているらしい。別にい-さ。



あなたには大切な人はいますか?

あなたには心から「愛している」と言える人はいますか?

あなたは何故生きているのですか?

僕はただ愛する為に生きています。

 

クリスマスをおかずに愛を確かめ合う全てのクソ野郎共に愛を込めて。メリークリスマス!!

クソッタレ!!

 

今日のお薦めBGM=THE SWiSH「spped king」