独りぽっちの裸のメロDIEー

あんたは寂しくはないかい? あんたは愛に生きているかい? 僕はね。僕は生きてる。生きてるのに死んでる。 そんな独りぽっちの夜に逃げ場所を探し求めて、 「寂しがり屋日本代表」KUSOGAKINGが放つ愛と孤独と裸のクソッタレた言葉達。にゃんにゃん。

精春物語(後編)

おぃらが心を開いた奴等はね。どいつもこいつも。皆。皆、消えて無くなっちまう。時がたてばね。きっと皆。おぃらの顔も。声も。忘れちまうのかもしれね-。
恐いんだ。また誰かを失うのがね。どうしようもなく恐いんだ。過去にも思い出にもしたくねぇ。そう思うおぃらは。おぃらは間違ってるのかな?






心の奥の奥の方まで刻み込まれた傷。心の奥の奥の方まで切り刻まれた傷はね。簡単には塞がらなかった。誰かに心を開く事も恐いけどね。心を開いてね。絆が深くなっちまっうのがね。恐かった。無性に恐かった。失いたくない。この仲間を。この空間を。この瞬間を。スポットライトに照らされたおぃらはね。まるで丸裸にされたみて-にね。自分を曝け出せたけどね。マイクを離した瞬間にね。恐くなっちまった。



おぃらは好きでもねぇ女とSEXして。どんな人なのかも知らねぇ女とSEXして。彼氏がいる女とSEXしをた。恐くて恐くて。寂しくて寂しくてたまらなかったから。抱き合ってる時だけはね。寂しさを忘れられたから。だけどね。四年間。たった1人の女しか抱き締めなかったおぃらにはね。愛の無いSEXをしてもね。何も満たされなかった。何も満たされねぇ事が良く解った。良く解ってたはずなのにね。愛が欲しかったはずなのにね。恐かった。
おぃらは罪悪感と劣等感と孤独感に押し潰されていった。恐怖心に包まれちまった。誰も信じられねぇ。




夜になるとね。過換気症候群になっちまってね。息ができなかった。薬で誤魔化してね。寝る暇が無いくらい働く事でね。自分を誤魔化した。だけどね。笹ヤンだけはいつも解ってくれている気がしていた。

 

笹ヤンは明るくいい奴だった。いつも馬鹿みてぇな事ばっか言ってやがんのによ。人に気を使ってばっかのね。優しい奴だった。いつもおぃらの事をフォローしてくれていた。
いつか言ってたよな。おぃらがおぃらの事を話すとね。「なんかお前と俺似てるな」って。小さな声で言ってたよな。今ならその意味が解るよ。

お前も怖かったんだよな。お前の優しさの裏には沢山の傷が隠されていたんだよな。なのにさ。なのにさ。おぃらは笹ヤンに甘えてばかりだった。いつも。いつも自分の事ばかりでよ。ごめんよ。ごめんよ。






普通に生きれると言う事は凄く。凄く幸せな事だと思う。世の中にはね。普通に生きられねぇ弱い奴等が沢山いる。心の中に。ど-しよ-もねぇ傷を持った奴等が沢山いる。働きたくないから。面倒くさいから外に出ないんじゃない。部屋の外が恐くて。恐くて動けない奴もいる。薬が無いと生きていけない奴。SOSを出しながら。必死に必死に生きている奴等が沢山いる。



おぃらはいつも逃げてばかりだ。辛くて。辛くて。逃げて。結局、おぃらには何も残らなかった。友達を。笹ヤンを助けてやる事もできなかった。笹ヤンの中にある闇に。傷に。気付いてやる事さえできなかった。



精春時代だなんてね。今も良く解らねぇ。恋して愛して愛されて傷付いて傷付けて失って後悔して。その繰り返しの中で生きて来た。

「何かやらかしてみてぇ」だとか。「輝いていてぇ」だとかね。暗闇の中で必死にもがいてよ。

 

なぁ。笹ヤン。お前と過ごした短い日々こそ。おぃらの「青春時代」だったのかもしれねぇ。忘れねぇよ。けっして。忘れねぇよ。




久しぶりにあの頃聞いていた曲を聴いた。あの曲を聴くとね。本当にね。本当にいろんな事を思い出す。体から。体中から何かが込み上げてきやがる。楽しかった事。悲しかった事。全てが。全てが走馬灯の様に流れてきやがる。



僕等はいずれいなくなる

一人一人ずつ星になる

わかってるよそんな事ぁ

知らねぇよそんな事ぁ

今はただ此処で笑ってたいだけさ

大人が死ぬまであと半年か

僕等が死ぬまであと1日か

あああ僕はなにかやらかしてみたい

そんなひとときを青春時代と呼ぶのだろう


俺の魂は俺の魂が俺の魂で俺の魂なのさ

嘘ついてでたらめこいてそれでも自分には正直なのさ

誰かと付き合って別れて傷ついて歌を歌ってまた好きになる

あああ僕はなにかやらかしてみたい

そんなひとときを青春時代と呼ぶのだろう

 


笹ヤン。おぃら。おぃら忘れね-よ。絶対に忘れね-よ。約束するよ。

 

ありがとう。

 

今日のお薦めBGM=カラーボトル「愛の唄」