独りぽっちの裸のメロDIEー

あんたは寂しくはないかい? あんたは愛に生きているかい? 僕はね。僕は生きてる。生きてるのに死んでる。 そんな独りぽっちの夜に逃げ場所を探し求めて、 「寂しがり屋日本代表」KUSOGAKINGが放つ愛と孤独と裸のクソッタレた言葉達。にゃんにゃん。

有紀子

去年の春頃。おぃらはある結婚式で歌を唄った。

 

朝の7時に起床。朝ダチしたおぃらのアソコが縮む暇もないまま車に乗り込み駅へと走る。当時。結婚式なんかで唄う時にはいつもピアノを弾いてくれていたモモ(あだ名)と一緒に新幹線に乗り片道3時間かけて広島県に行った。丘の上にあるこの結婚式場は本当に綺麗でまるで別世界の様な雰囲気だった。

 

この日。めでたく結婚する事になったのは有紀ちゃん(あだ名)。本当に可愛いい子。美しい子。彼女とはそんなに会った事もない。だけどね。彼女はおぃらの言葉をね。いつも必要としてくれていた。
有紀ちゃんは旦那さんと付き合ってほんの何ヵ月で結婚する事になった。「おめでとう」とおぃらが言うと彼女は「ありがとう」といつもはにかんでいた。

 

おぃらの知っているかぎりね。彼女はいつも苦しんでいた。家族や恋人。孤独。独りだ。苦しい。美しい彼女の中にもね。闇があった。おぃらにはね。彼女が何故苦しんでいるのか。何故孤独なのか。はっきりとした理由は解らなかった。あんなに可愛いいのに。あんなに素敵なのに。彼女を包みこむ闇が存在する事がやるせなかった。
あまり言葉を発しない彼女。感情を出さない彼女。きっとね。心を開いている人の前ならね。違うと思う。でもね。おぃらにもね。彼女がね。優しい子だって事は解る。おぃらはね。彼女の事をあまり知らない。きっとね。何も知らない。だけどね。彼女の存在をね。彼女が生きているという事をね。おぃらは知っている。例えね。彼女が援助交際をしていてもね。彼女が好きでもない男と一緒にいてもね。おぃらはね。彼女は素敵な子だと思う。




結婚式。周りは誰1人知らない人ばかり。モモはいつも結婚式が始まると緊張しだす。おぃらはね。ウェディングドレスを着た有紀ちゃんを見てなんだか嬉しかった。幸せそうな彼女を見てね。なんだか嬉しかった。だけどね。心配もした。「彼女がずっと。ずっとこのまま幸せそうに笑っていれますように」。小さくお祈りした。

結婚式の中盤でおぃら達が呼ばれた。おぃらはスポットライトの前に立ち席に座っている人達をゆっくり見た。お年寄り。おっさん。おばさん。子供。可愛いい子。同じ年くらいの男共。100人以上いたな-。だけどね。おぃらにはね。光しか見えなかった。おぃらだけを照らす光。その光の中でね。おぃらは唄った。有紀ちゃん。ごめんね。おぃら唄ってる間はね。頭がイカれちまうからね。結婚式だって事すら忘れてたよ。だからね。おぃらはほんの少し。ほんの少しメッセージを残した。

 

「1番大切な事を忘れないでください」。

 

僕はね。当たり前だと思っていた事。当たり前だと思っていた人を何度もね。何度も失ってきた。忘れないで欲しい。本当にそう思った。有紀ちゃん。僕はね。僕はあの時ね。君に語りかけていたんだよ。真っ白なドレスを着たあんた。あんたの心がね。これから先。これから先ずっとね。黒く染まらないように。本当にそう思っていたよ。





あれから何ケ月も過ぎたつい先月。有紀ちゃんと久しぶりに連絡を取った。僕はね。有紀ちゃんに「元気かい?」と聞いたんだ。友紀ちゃんはこんな言葉をくれた。




私には見えないよ光が。6月から体調悪くなって、ずっと精神科通い。毎日薬なしじゃしんどい。夜も眠れない。旦那は相変わらず愛してくれて幸せに変わりはない。こんなにも愛されて何がいけないんだろうって。何で心身壊れていくんだろうって考えた。この孤独感はなにか。初めから私は愛されるだけで満足してたんだよね。それが間違いだったかも。本当は私もずっと誰かを愛したかった。そう気付いたときにちょうどblog読んだんよね。衝撃受けたね~。
全く知らない土地に来て、友達もいないし田舎すぎて行く場所もない。当然出会いもなくて話相手もいない。今じゃ家に引きこもり。1日の半分以上は布団の中。そんな感じ」。





有紀ちゃんは僕が前に書いていたBLOGを読んでそんな言葉をくれた。僕にも衝撃的だった。なんだかね。本当にショックだった。哀しかった。



「なんで産まれたの?」



孤独と戦ってね。孤独と生きてきた有紀ちゃん。決してね。1人じゃなかったと思う。だけどね。独りだったのかもしれない。そんな彼女が掴んだ幸せはね。僕にもね。光だった。心の中にある傷。深い深い所にある闇。救ってくれるのは愛しかない。愛に生きるしかない。僕はね。ずっと嘆いていた。愛が欲しい。愛が欲しい。愛が欲しい。
だけどね。本当の愛を知った時。本当の愛を失った時。僕は気付いたんだ。僕はね。愛したかった。心の底からね。誰かを愛したかった。愛し合いたかったんだ。有紀ちゃんもね。きっとね。凄く愛されてる。だけどね。心の底から愛せないでいる。きっといろんな事があると思う。いろんな理由があると思う。有紀ちゃんの家庭の事はね。僕には解らない。凄く難しい。だけどね。彼女が苦しんでいるのはね。凄く。凄く解るよ。





有紀ちゃん。僕はね。あれからね。何度もね。何度も君に言葉を送ろうとした。だけどね。送れなかった。上手い言葉が見つからなかった。伝えたい事がね。今もね。まとめられないでいる。ありきたりな言葉。どっかの恋愛ドラマで使うような言葉。「大丈夫」。「頑張れ」。「いつか幸せになれるよ」。どれも違う気がする。どれも違うんだ。



だけどね。だけどね。本当にね。僕はただね。君に幸せになってほしい。君に笑っていてほしい。君の苦しみがね。全て解るわけじゃない。だけどね。君の痛みがね。なんとなく。なんとなくかもしれないけどね。僕には解る。どうしよもない孤独。どうしよもない闇。その中で生きるのはね。本当に辛い事。本当に哀しい事。君はね。いつも僕の言葉を聞いてくれる。僕の歌を聞いてくれる。僕はね。君という存在に救われてきた。だからね。僕もね。僕には何もできないかもしれないけどね。僕もね。君の声を聞くよ。君の歌を聞くよ。君という存在を必要とするよ。ずっとね。共鳴するよ。





有紀ちゃん。

 

いつか君もママになったら孤独じゃなくなるかな?

 

いつか僕がパパになったら孤独じゃなくなるかな?

 

僕がね。僕が君に何が言いたいかというとね。ごめんね。やっぱりね。上手い言葉がみつからないんだ。ただね。ただ僕は思う。君は幸せになるべきだ。歩みを止めないで。自分を傷付けないで。いつか。いつか僕が幸せだと。本当に幸せだと胸をはって言えるその日まで。どうか。どうか僕を見ててください。どうか僕を忘れないでください。





世界平和。戦争反対。難民救済。おぃらにはそんな事考える余裕はねぇ。せめて。せめておぃらの側にいる人達。おぃらの大切な人達。あんた達だけは笑っていれますように。



今日のお薦めBGM=SEKAI NO OWARI「銀河街の悪夢」