愚痴流 第3章
今年の正月も毎年、正月とお盆恒例の「愚痴流」(グチル)を決行した。
「愚痴流」はおぃらと心友の光(あだ名)や真樹(あだ名)住むグチ(あだ名)やその他もろもろを交えてグチの実家を拠点に暴れ回るという集会だ。
おぃら達が「愚痴流」事ができるのは1年のうちで正月とお盆の短い期間だけ。だけどね。おぃらにとって「愚痴流」は本当にね。本当に大切な場所なんだ。
いつ会っても相変わらずなおぃら達。相変わらず汚いグチの部屋。相変わらずな男臭い空間。汗臭いし酒臭い。どうしようもねぇな-。
毎年、寝る暇もなく開催される「愚痴流」。今年も命の灯火が続くかぎり開催された。
今年も「愚痴流」では恒例の「新春大罰ゲーム大会」を決行。何かと罰ゲームをしたがるおぃら達。インターネットカフェにて卓球やビリヤードやダーツやカラオケを使い酒池肉林の騒ぎを起こす。負ける度にウォッカやビールを大量に一気飲みし死んでいく。
ビリヤード場で口からビールを噴射させていると近くにいた恐いおっさん共に怒鳴られて一触即発。拳を握り締めた怪しいおぃら。
この日は東京に住むイケ面野郎ザック(あだ名)も一緒だった。缶ビール50本をたらい回しにし壊れていく。カラオケで皆で踊って別れた彼女の名前をインターネットカフェ中に響きわたるよう叫んだ。久しぶりにこんなに笑った。久しぶりにこんなに壊れた。不眠不休で暴れ回って頭がおかしくなっちまいそうだったよ。
正月の間。できるかぎり皆と会った。本当に寝る暇もないくらい。グチの家で男だらけで朝まで飲み明かした。本当にクダらねぇ事ばかりしてるのにね。楽しい。楽しいんだ。だけどね。どこか寂しい。どこか切ない。彼女がいないから。終わりを意識せずにはいられないから。どこか寂しい。
正月も終わりに近づき。グチは帰って行った。別れ際に「頑張れよ」と小さく囁いて。離れ離れになっちまってもね。どれだけ会わなくなっちまってもね。けっして切れねぇ絆が欲しいよ。けっして終わる事のねぇ居場所が欲しいよ。
あと何年こうやって馬鹿やってられんのかなー。毎年、本当に思う。おぃら達が変わらなくてもね。おぃら達は間違いなく毎年、年を取ってね。毎年いろんな嬉しい事や悲しい事を経験して成長している。大人にならなきゃいけない。だけどね。この空間でだけはね。いつまでも子供のままでいたい。おぃらはね。きっと変わっちゃう。良くも悪くも変わっていっちまう。変わらないと生きて行けないからだ。だけどね。あいつ等だけはね。変わらないでいてほしい。あいつ等だけはね。今のままでいてほしい。
口では何も言えやしない。寂しくても寂しいだなんて言えやしない。いつも迷惑ばかりかけてよ。いつも自分勝手なおぃら。だけどね。おぃらこんなんだよ。おぃらね。本当はね。こんなんだよ。いつかね。伝えたい。言葉に出して伝えたい。ありがとう。おぃらと出会ってくれて。おぃらと一緒にいてくれて。こんなおぃらと共に笑ってくれてありがとう。今はまだ薬を飲んでいないと生きれない。正月も本当に恐かった。彼女がいないから。本当に寂しかった。きっとあいつ等は何も解ってないけどね。皆にね。本当に助けられてるんだ。ありがとう。
彼女を失ってから本当に皆に迷惑をかけてきた。本当に沢山。助けられた。だけどね。もぅ何も迷惑かけたくないんだ。だから決めていたんだ。正月で最後。正月で終わりだと。頑張るよ。
独りぽっちは恐くない。
独りぽっちは恐くない。
独りぽっちは恐くない。
今日のお薦めBGM=BUMP OF CHICKEN「バイバイ、サンキュー」