独りぽっちの裸のメロDIEー

あんたは寂しくはないかい? あんたは愛に生きているかい? 僕はね。僕は生きてる。生きてるのに死んでる。 そんな独りぽっちの夜に逃げ場所を探し求めて、 「寂しがり屋日本代表」KUSOGAKINGが放つ愛と孤独と裸のクソッタレた言葉達。にゃんにゃん。

家族ってやつ

例えば付き合っていた彼女が家族の話を楽しそうにするのを聞くと僕は凄く孤独を感じていた。例えば友達が兄弟と喧嘩をした話なんかを聞くと僕はなんだか孤独を感じていた。ホームドラマもサザエさんみたいなほのぼのとした家庭も見ると吐き気がした。あたり前の様に家族とご飯を食べる。おはよう。お休み。ただいま。お帰り。あたり前。あたり前なんかじゃない。僕はずっとそんな空間が欲しかった。欲しくて欲しくてたまらなかった。僕は僕。僕はここにいる。認めてください。知っていてください。許してください。解ってください。愛をください。必要としてください。家族ってやつ。きっと僕が夢見ている様な綺麗なモノじゃないかもしれない。だけど。だけどね。それが僕の夢。家族ってやつ。




親父は入院する事になった。今の段階ではまだ何も言えない。検査の結果を待っている。僕はただ笑っている。笑っている事しかできない。僕も今は病人。薬を飲んでいないと生きてはいれない。だけど誰も僕が病人だとは知らない。僕は気付かれない様に薬を飲んで平然としている。それしかできない。そんな事しかできない。本当に無力だ。こんな状況になって始めて気が付く事ばかり。僕は自分の気持ちをここに書き綴る事しかできない。誰の為でもなくただ自分の為に。孤独が少しでもやわらぐ様に。病院の看護婦さんがナース服を着ていない事。病室の近くのトイレにはナースコールなんかも着いている事。煙草は病院の外でしか吸えない事。売店のおばちゃんの感じが悪い事。変な所にばかり目がいく。病院の中は静かで時間がゆっくり流れている。だからなんだか変な所にばかり目がいく。ほんの何ヵ月か前。僕はこの病院に救急車で運ばれてベットに寝ていた。なのにね。全然違うんだ。あの時感じた病院の雰囲気と今、客観的に見る病院の雰囲気。不思議だけど全然違う。



今年の5月。僕はお袋を病院に連れて行った。お袋がずっと頭が痛かったらしくて連れて行く事になった。その時も僕は医者に考えもしなかった事を言われた。脳梗塞。お袋は病気だった。お袋も病院に通っている状況。だから辛い。だから本当に辛い。どうしたらいいのか解らない。
僕はその時。当時付き合っていた別れた彼女にこう言った。「お袋が死ぬならきっとこれが運命」。そして心の中では「どうせなら親父とお袋。一緒に死んでくれたらいい」。そんな事を思っていた。本気で思っていた。その時。僕には彼女という支えでとてつもなく大きな存在がいた。だからきっとそぅ言えた。そして。彼女を失った今。あの時。僕が思い描いていた形になった。お袋も親父も危ない。まるでドラマの様。本当にドラマの様。嘘ならいいな。夢ならいいな。本当に嘘であってほしい。そして彼女を失って間もない今。こうなった事。きっと天罰だと思う。だけどね。もし天罰なら僕の命を奪って下さい。本当にそぅ思う。なんだかもぅあまり何も言えない。この何ヵ月かさんざん泣き言を言ってきた。沢山の人に助けてもらったしね。迷惑をかけた。だからなんだか何も言えない。居場所が無い事が本当に辛い。少し気を抜いたら負けてしまいそうだよ。だけどね。だけどね。強くなる。今こそ変わらないといけない。本当に変わらないといけないと思う。

 


僕が今まで唯一。憧れた家族がいる。今になってなんだか凄く思い出した。別れた彼女の家族。彼女とお母さんと兄の3人家族。けっしてホームドラマに出てきそうな家族じゃない。いろんな問題もある。だけどね。だけど僕は本物の愛を感じた。口ではいつも啀み合ったり文句を言ったりしているんだ。だけど繋がれている。心の奥の方でね。1番大切な所で繋がれている。「こんな家族になりたいな-」。「こんな家族が欲しいな-」。本当にそぅ思っていたんだ。僕も家族の一員になりたかったしね。そんな家庭で育った彼女となら幸せな家庭を築ける。そぅ思ったんだ。もぅ無理だけどね。お母さんには本当によくしてもらった。沢山。沢山、話をした。お母さんは真っ直ぐと堂々と僕に「子供達を愛している」。「子供達が生き甲斐だ」と言った。永遠の愛。無償の愛。僕が欲しくて欲しくてたまらなかったモノをお母さんは沢山、持っていた。

 

 

家族ってやつ。僕は愛を貰う事ばかりを考えていた。だけど。だけどね。愛を与える事のできる人。与えてあげる事のできる人になりたい。お母さんの様に。父親になったあの時に抱いた暖かい気持ちで。強い気持ちで。

 

 

今日のお薦めBGM=藤岡正明「Rewind」