独りぽっちの裸のメロDIEー

あんたは寂しくはないかい? あんたは愛に生きているかい? 僕はね。僕は生きてる。生きてるのに死んでる。 そんな独りぽっちの夜に逃げ場所を探し求めて、 「寂しがり屋日本代表」KUSOGAKINGが放つ愛と孤独と裸のクソッタレた言葉達。にゃんにゃん。

絶望ってやつ

僕は今。病院の休憩所でこれを書いています。少しずつ少しずつ頭が冷静になってきた。いっぱい泣いちゃったよ。なんでだろうなー。元々そんなに泣いたりしないのにな。最近、なんだか涙腺が本当に緩んじゃってるよ。大切な人を失う事。それだけは慣れない。慣れないよ。僕はずっと家族が欲しいと言ってきた。本当にいつも言ってきた。だけど僕にも家族はいる。だけど僕が家族の話をちゃんと話した事があるのは別れた彼女だけだったしね。昔からずっと「家族はいない」って言ってきた。新しく出逢う人にもね。職場の人にもね。ずっとそぅ言ってきた。それは僕の中でどうしても家族だと素直には言えなかったから。家族だと認めたくはなかったから。家族だとは思えなかったから。僕は小さな時からそうやって育ってきたんだ。小さな時から独りだったしね。自分が家族を持つ日を夢見て生きてきた。僕の中にはね。どうしても忘れられない記憶があるんだ。どうしても忘れられない言葉があるんだ。

 

 

だけど今。そんな事もぅ忘れたいと思った。消してしまいたいと思った。僕は本当にどうしようもないんだ。本当にどうしようもない奴だよ。失うと意識した瞬間からしか気づく事ができない。何度も何度も繰り返してきたのにね。僕にはね。親父とお袋がいるんだ。親父の優しい所とお袋の弱い所を僕は引き継いでいる。今。始めてここに家族の事を書くのはね。もしかしたらね。僕にとって逃げなのかもしれない。今の僕には誰もいない。絶望の中に光を射してくれる人はいない。自分の事ならまだいいんだ。だけどね。大切だと思える人を失った時。失おうとしている時。本当に辛い。哀しみをどこにぶつけたらいいのか。誰にぶつけたらいいのか解らない。本当に解らない。だからここに書こうと思った。ここに家族の事を書く事は僕にとって本当に勇気のいる事。だけどね。ここに書くしか救われる道はないと思った。同情や哀れみが欲しいわけじゃないよ。ただこのどうしようもない哀しみをどこかにぶつけたい。残したいんだ。




それは本当にあまりにも突然の事で僕はなんだか体中の力が抜けた。膝から崩れ落ちる様になんだか力が抜けた。午後2時過ぎ。お袋からの電話。久しぶりに聞いたお袋の声は涙声ですぐに何かあったんだと気付いた。「どうしたん?」。お袋は親父が入院する事になったからこっちに来れないかと言った。「入院?どうした?」お袋の口から出た言葉は本当に想像もしていない言葉だった。大腸癌。親父は癌になっていた。すぐに仕事を早退して僕は車に乗って近くのコンビニの駐車場に車を停めた。なんだか本当に絶望感が僕を包んだ。手が震えて止まらない。僕は車の中で泣いた。本当に大きな声で泣いた。調度よく雨が降ってきて車の中の僕を隠してくれた。畜生。畜生。いろんな事が頭の中をかくずり回っていた。

 

 


「誰か助けてくれ!!」

 

 


本当に辛い時。本当に助けて欲しいと思った時。僕の頭の中は別れた彼女でいっぱいだった。別れてから音信不通の彼女。新しい恋人がいると言う話は聞いていた。彼女に助けを求めるのは間違っている。解ってる。解ってるけど彼女しかいないと思った。僕は彼女に電話をかけた。だけどやっぱり彼女は電話には出てくれなかった。畜生。畜生。本当に心の底から思った。不甲斐ない自分。卑怯な彼女。別れた彼女を頼ってしまう自分。そして何よりも今になって家族を家族だと思えた自分。悔しくしょうがない。「なんで俺ばかり」。「なんで今?」。「なんでこんなにも皆いなくなるのか」。「なんで?」。「どうして?」。本当に誰かに縋りたい。誰かの前でおもいっきり泣きたい。悲しい。哀しい。疲れたんだ。頑張ってるんだ。俺だって頑張ってるんだ。畜生。悔しくて。哀しくて。なんだか解らないくらいただ涙が零れてきた。死にたいと強く思っていた自分を残して周りの人が消えていく。本当に哀しい。本当に哀しい。僕は携帯電話を投げつけて1時間くらい泣いていた。いろんな事を考えた。本当にいろんな事を考えた。そして涙が枯れて出なくなった時。僕はなんだか少し強くなれた気がした。もぅ泣かない。俺が強くならないと。俺が支えてやらないと。例えそれがどんなに辛くても。強くならないと。今。強くならないと俺はきっと一生後悔する。今。立ち上がらないと俺はきっと一生後悔する。本当にそぅ思った。

 

車のエンジンをかけて僕はゆっくりと走り出した。目が痛い。片道1時間半をかけて総合病院へと向かった。久しぶりに見る親父はなんだかやつれていて体中に沢山の管がついていてその姿を見てまた泣きそうになった。だけどグッと堪えた。ごめんね。心の中でずっと語りかけていた。ごめんね。口に出す事は絶対にできない。きっと一生できない。だけど本当に思ってるよ。ごめんね。こんな人間でごめんね。こんな子供でごめんね。

 

続く。

 

今日のお薦めBGM=キュウソネコカミ「MEGA SHAKE IT!」