独りぽっちの裸のメロDIEー

あんたは寂しくはないかい? あんたは愛に生きているかい? 僕はね。僕は生きてる。生きてるのに死んでる。 そんな独りぽっちの夜に逃げ場所を探し求めて、 「寂しがり屋日本代表」KUSOGAKINGが放つ愛と孤独と裸のクソッタレた言葉達。にゃんにゃん。

仮面舞闘会

皆さんこんばんわ。はたまたこんにちわ。日夜、性欲と戦っている寂しがり屋日本代表のKUSOGAKINGっす!!にゃんにゃん。




季節はすっかり春だなー。桜の名所ではまるで片想いしていた彼と始めて手を繋いだあんたの様にピンク色に頬を染めた桜達が春はまだかーと蕾が飛び出ちまいそうな勢いだ。春はなんだか寂しい季節。毎年どこか寂しさを感じてしまうよ。
学生の頃は本当にこの時期が嫌だったなー。クラス変え。卒業。入学。何かが変わる春の季節。行くのが嫌でしょうがなかった学校も春が近づくにつれて1日1日が大切に思えてきた。それはね。きっとおぃらは知っていたんだ。それはね。きっとおぃらは解っていたんだ。例えおぃらがね。これから先何回もね。何十回も春を迎えてもね。同じ春は2度と来ないんだ。それが凄く寂しくてね。どこか切ない。
「終わる」事を意識し始めた時。時間は急に形を変える。ありきたりな毎日。あたり前の様にいつも存在していた空間。「終わり」を意識し始めた時。ありきたりがありきたりじゃなくなっちまう。あたり前があたり前じゃなくなっちまう。ユーミン(松任谷由実)が言ってたよ。「春よ来い!!」。好きな冬が終わっちまう季節。どこか寂しい季節。おぃらはユーミンの様には思えないけどね。ゆっくりおいで。おぃらを置いてきぼりにしないようにゆっくりおいで。春よ。






さっきね。おぃらの部屋の電球が突然切れちまった。豆電球と携帯電話の光とおぼろ月だけがおぃらを照らしている。光が無いとなんて不便なんだ。エッチな本も見れやしない。まるでおぃらの存在が無いようだ。おぃらの存在が消えちまったようだ。闇に包まれちまって鏡にもおぃらの存在は微かにしか映らない。

「あなたは誰ですか?」

鏡に微かに映るおぃらにおぃらは問いかけた。鏡の中の彼はこう答えた。

「僕は僕。おぃらはおぃら。だけどね。本当の僕は解らない。」

いつからだろう。おぃらはおぃらである事から逃げてきた。生きる為に。傷付かない様に生きる為に。苦しまないで生きる様に。
春を迎える度に。傷を重ねる度に。おぃらはおぃらでなくなっている。そんな気がするよ。本当に伝えたい事もね。感情もね。おぃらは閉まい込んで逃げてきた。飾り付けたおぃらで生きてきた。そうやって逃げて生きてきたおぃら。だからね。自然なおぃらでいる事が難しくなっちまった。自然なおぃらでいるとね。自分を保てなくなっちまった。仮面をつけて踊っていたおぃらはね。いつの間にか仮面無しでは踊れなくなっちまったんだ。プライドも過去も未来もね。全部ぶっ壊してやりてぇなー。




おぃらは今、人生の分かれ道にいる。何個も何十個も何百個もある分かれ道の中のね。たった1つだよ。だけどね。いろんな事が恐くてね。いろんな事が不安でね。1人じゃ中々動き出せねぇ。本当にね。駄目な奴だよ。道なんてね。進んでみないと解らない。進んでみないと何も変わらない。あと1歩。この1歩なんだ。仮面が無くてもね。踊れる様にね。強くなりてぇな。







おぃらが小学生の時。アニメ「幽遊白書」のエンディングとして使われていた楽曲がおぃらは大好きだった。「アンバランスなkissをして」「太陽がまた輝くとき」。何故か耳に残るナチュラルな歌声と音楽性に強くひかれた。彼は「心の旅」などで知られる財津和夫さんも所属していたバンド。チューリップのメンバー。高橋ひろさん。
先日ブックオフで彼のアルバムを購入(300円)。車の中でCDを聴いているとおぃらはなんだか泣きたくなった。涙が込み上げてきた。車の運転席の前に広がる見慣れた景色が輝いていた。そこにはおぃらがいた。そこには小学生の頃のおぃらがいた。高橋ひろさんの歌声がおぃらの小っぽけな頭の記憶を蘇えらせてくれた。楽しかった毎日。大好きだったあの娘。名前も忘れたクラスメイト達。本当にね。車の運転席の前に広がる世界の中に間違いなくね。あの頃のおぃらがいたんだ。仮面をつけていないあの頃のおぃらがいたんだ。




おぃらが生きてきた中で思い出の曲は沢山ある。懐かしいメロディー。切ないメロディー。音楽はいつもおぃらの側にあるから。音楽はいつもおぃらの中にあるから。きっとね。高橋ひろさんの音楽はね。小学生の頃のおぃらと一緒にいたんだ。それはね。きっともう変わらない。変えられない。
おぃらは今はパンクロッカーだ。おぃらはもうアニメなんてまったく見ないよ。だけどね。高橋ひろさんの音楽はきっといつまでもおぃらの中に暖かいメロディーを流してくれるんだろうな。



誰もが知ってる有名な曲じゃなくてもね。誰もが賞賛する素敵な曲じゃなくてもね。誰かの中にね。世界でたった1人の誰かの中にでもね。自分の音楽が残っている。そんなに素敵な事はないなー。おぃらもそんな歌を唄いたい。今だけじゃなくてね。過去にも未来にも響く音。おぃらもそんな歌を唄いてぇなー。





高橋ひろさん。2005年。11月。あんたが41歳の若さでこの世を去っちまった事。おぃらはあんたの音楽に再び出会った時に知ってしまった。だけどね。だけどね。おぃらの中にはね。あんたの音楽がいつまでもね。残っているよ。いつまでもね。残っているよ。高橋ひろさんのご冥福を心からお祈り致します。

今日のお薦めBGM=岡平健治「続・以心伝心」