愛が届いた(２)

あんたもね｡今これを読んでいるあんたもね｡どうせおぃらの事なんてね｡すぐ忘れちゃうでしょ｡きっと忘れちゃうよ｡おぃらが死んじまってよ｡誰の心の中にもね｡記憶の中にもね｡おぃらが存在しなくなっちまった時ね｡おぃらは本当に死んじまうだろう｡
そしてね｡おぃらがね｡例え生きててもね｡あんたの記憶の中におぃらがいてもね｡そこにいるおぃらがね｡本当のおいらがいなかったらね｡誰も本当のおぃらを知らなかったらね｡それこそね｡本当に孤独だと思うよ｡上辺だけじゃなくてね｡着飾ったおぃらじゃなくて｡格好悪くてよ｡最低なよ｡本当のおぃらをね｡誰も知らねぇ｡それこそね｡本当に孤独だと思うよ｡時々ね｡本当にね｡ふとした時に押し寄せて来る孤独｡寂しいよ｡寂しいよってね｡押し寄せて来やがる孤独｡孤独はね｡きっと無くならねぇよ｡孤独はね｡誰にでもあるﾓﾉだと思うよ｡だけどね｡本当に独りぽっちにならない様にね｡本当に孤独にならない様にね｡今日もここに薄汚い裸の言葉を並べるよ｡







先日､FANLETTERより愛をいただいた｡22歳の就職活動真っ只中だと言う大学生の女の子からだ｡



｢KINGさん｡私も今まで寂しさを理由に沢山の人を傷付けたり裏切ったりしました｡いつも寂しいからと自分に言い訳をして｡そして今､私は彼氏と同棲をしています｡それでも私はどこか寂しいんです｡寂しいからと他の人を求めてしまいます｡最低ですよね｡｣



おぃらは彼女に返す言葉が浮かばなかった｡小っちゃな脳ﾐｿいっぱいにね｡沢山考えたんだけどね｡どうしても浮かばなかった｡だからね｡何も言えなかった｡そりゃあね｡最低かもしれないよ｡だけどね｡おぃらには彼女が悪いとは思えねぇ｡だけどね｡彼女が悪くないとも言えねぇ｡本当にね｡おぃらこんなﾓﾝだ｡おぃらは江原さんでもなけりゃあ細木数子でもねぇ｡ただの寂しがり屋だもん｡彼女が欲しい言葉をね｡彼女が望むﾓﾉをね｡おぃらには何1つあげる事もできないよ｡



おぃらにもね｡彼女の気持ちはね｡凄く解るよ｡本当にね｡凄く解るよ｡おぃらもね｡本当にね｡本当に沢山の人を傷付けてきたもん｡寂しいからってよ｡いつも誰かのせいにしてね｡寂しさを理由にしてね｡沢山の人を傷付けてきた｡
寂しいから｡愛してもねぇ奴に愛の言葉を囁いてよ｡嘘付いてよ｡隠してよ｡ｷｽしてよ｡SEXする｡寂しいから｡彼女が何人もいた時もあるよ｡彼女の名前すら覚えてない時だってあったよ｡昔､おぃらに彼女が他にもいる事に気付いた年上の彼女にこんな事を言われたよ｡



｢あんたは本当に人を愛した事がないんでしょ｡だから平気でこんな事をする｡優しいﾌﾘして心の中は本当に冷たい人ね｡｣



そんな事ね｡言われなくても解ってたよ｡本当にね｡愛してなんかなかったよ｡でもね｡おぃら本当はね｡愛したいんだよ｡心の底から愛されたいしね｡愛したいんだよ｡だけどね｡恐い｡恐いんよ｡そんな事をいつも思っていたよ｡



彼氏がいるあんたがね｡彼氏と同棲しているあんたがね｡｢寂しい｣と思う理由はね｡おぃらには解らないよ｡だけどね｡おぃらはね｡あんたは素敵な人だなって思うよ｡だってよ｡あんたちゃんと解ってるんだもんな｡自分が間違ってるってよ｡自分は間違った事をしているってよ｡いつも自分を責めてるんだよな｡本当はね｡あんただってね｡心の底からね｡たった1人の人をね｡心の底から愛したいんよな｡だけどね｡きっとあんたの中のいろんなﾓﾝが邪魔するんだよな｡｢寂しいから｣ってよ｡誰かを求めてよ｡そんな事されたら彼氏もきっと傷付くよ｡だけどね｡あんたもいっぱい傷付いてんだろうな｡おぃらには何もしてやれねぇよ｡あんたがね｡どうしようもない孤独に襲われていたってね｡何もしてやれねぇ｡だけどね｡おぃらはここにいるよ｡いつでもね｡ここにいるよ｡
あんたの裸の言葉をね｡あんたの本当の言葉をね｡おぃらに聞かせてくれてありがとう｡本当のあんたをね｡おぃらに見せてくれてありがとう｡






愛が欲しい｡愛が欲しい｡真実の愛が欲しい｡無償の愛が欲しい｡永遠の愛が欲しい｡いつも愛を求めていたおぃら｡それはね｡今も変わらないよ｡だけどね｡本当にね｡愛する人ができた時｡愛してくれる人ができた時｡おぃらはね｡ただ愛が欲しいだけじゃなかった事に気が付いたんだ｡おぃらはね｡きっとね｡ずっと愛したかったんだ｡心の底からね｡誰かを愛したかったんだ｡だってね｡おぃらなんてね｡愛する為に産まれて来たんだもの｡



全ての愛に飢えた寂しがり屋共が愛されるだけじゃなく｡誰かを心の底から愛せますように｡にゃんにゃん｡

今日のお薦めBGM=ｵｰﾙﾄﾞ･ﾏﾝ･ﾘﾊﾞｰ｢ﾗﾗﾗｰみんなのうた｣