I'm Addicted To Love

おぃらは今、電車の中だ｡電車の中は名前も知らねぇ人間共で溢れてやがる｡おぃらは心の中で名前も知らねぇ人間共に思わず聞いてみた｡



｢あんたは幸せかい？｣



誰1人答えてはくれなかった｡きっとね｡解らねぇんだ｡自分が幸せなのかどうかも解らねぇんだ｡おぃらも解らねぇもん｡誰かと比べて自分が幸せなのか幸せじゃねぇのかを判断するしかねぇんだ｡どっかの誰かと比べりゃあ幸せだしどっかの誰かと比べりゃあ幸せじゃねぇ｡そんなﾓﾝだよな｡








最近のおぃらは言うと相変わらず駄目な奴だ｡本当にね｡嫌になっちゃう｡別に言われなくてもよ｡おぃらが1番解ってる｡

あの時なんであんな事を言っちまったんだろう｡あの時なんであんな事をしちまったんだろう｡そんな風に過去に捕われてばかりで前に進めてねぇ｡駄目な奴だよ｡





傷つかねえ為に｡生きていく為に作り上げてきたおぃら自身｡沈着冷静なおぃら自身｡だけどね｡そんな心に鍵をかけたままのおぃらでいる以上おぃらはずっと独りなのかもしれねぇ｡
最近は本当のおぃらが解らなくなってきちまった｡子供なおぃら｡大人なおぃら｡職場でのおぃら｡ここでのおぃら｡どうでもいい奴の前のおぃら｡大好きな人の前のおぃら｡いったいどれが本当のおぃらだい？








眠れない夜にね。消えたくなる夜｡それがいつもの夜｡自分を責めて誰かを責めて薄汚い歌を唄う｡朝が来て今日も普通に仕事に行く｡そこには夜のおぃらの苦しみなんて誰も知らない世界｡



何が寂しいかって？



おぃらの苦しみを誰も知らない｡そんなに寂しい事は無いじゃない？





おぃらの中にもあんたの中にもきっとどんな奴の中にも悪魔は潜んでいるんだろうよ｡
誰にも言えない領域を隠し持ってるんだろうよ｡
でもな｡あんたの中の痛みや傷や孤独をあんたしか知らねぇなんてそんなに寂しい事はないじゃない？そんなに哀しい事はないじゃない？誰にでも解ってもらいてぇなんて思いもしねぇ｡それでもたった1人の人にくれぇ解ってほしいよな｡







おぃらはここにいるよ｡







おぃらはいったい今までどれだけの奴を傷付けて来たのかな？今までおぃらが傷付けて来た沢山の人達はきっとおぃらの事を憎んでるんだろうな｡
機嫌が悪いだけで傷付けた奴もいた｡｢好き｣なんて言っといて何も言わずに勝手に消えてしまった時もあった｡利用するだけ利用しておとしいれた奴もいた｡おぃらの事を信じてくれていたのに裏切った奴もいた｡守ってやる事も支えてやる事もできなかった奴もいた｡自分が傷付きたくねぇから傷付けた奴もいた｡





気が付けばおぃらは傷付きたくねぇから傷付けてよ｡嫌われたくねぇから合わせてよ｡駄目な方にばかり進んでる気がするよ｡



どっかの天然系のｱｲﾄﾞﾙが言ってたんだけどよ｡彼女は自分が大好きだと言う｡ﾅｾﾞそんなに自分が好きなのかと言う問いに彼女はこう答えた｡｢だって～自分の事は自分がよく知ってるし～自分くらい自分を好きでいてあげないと～自分が可哀相だし～誰も本当に好きでいてくれるか解らないじゃないですか～｣｡
おとぼけ口調で笑いながらそんな話をしていた彼女におぃらは芯の強さを見た｡


そんな考え方もあんだな｡そんな風に思えたらいいな｡おぃらの事を心から信じてやれる奴も｡おぃらの事を心から愛してやれる奴も｡今はおぃら自身しかいねぇだろうしな｡
優しくなれるかな？強くなれるかな？愛する事ができるかな？





僕はここにいるよ｡

今日のお薦めBGM=BLINK182｢OBVIOUS｣