独りぽっちの裸のメロDIEー

あんたは寂しくはないかい? あんたは愛に生きているかい? 僕はね。僕は生きてる。生きてるのに死んでる。 そんな独りぽっちの夜に逃げ場所を探し求めて、 「寂しがり屋日本代表」KUSOGAKINGが放つ愛と孤独と裸のクソッタレた言葉達。にゃんにゃん。

愚痴流 第2章

昔は周りに誰かがいるのがあたり前でありがたみなんてそんなに感じなかった。学校に行けば友達がいてよ。休みの日もあたり前のように友達と遊ぶ。



だけどね。年を重ねる事に友達の大切さも身に染みてきやがった。引っ越して行く奴。結婚しちまう奴。刑務所に入っちまう奴。変わっちまう奴。死んじまう奴。
その中でもこんなおぃらの側にいてくれる友達をおぃらは本当に大切に思う。






お盆休みでおぃらの心友も里帰り。パソコン片手に帰って来たそいつの名はグチ(あだ名)だ。
グチはインターネット関連の会社に勤めるインテリなエリート野郎だ。趣味はエロDVD集めに株の売買。お友達はパソコンと言う中途半端なオタク野郎だ。そんなグチとパソコンなんざろくにできねぇおぃらがね。なんで仲がいいのかと言うとなんでかは解らねぇ。何1つ共通点も無いしね。



だけどよ。おぃらにとっちゃグチは本当に大切な友達。お盆と正月。1年のうちにたったこれだけの期間しか会えねぇんだけどね。けっして切れねぇ絆を感じる事ができる数少ない心友だ。



今年のお盆も毎回恒例の「愚痴流」を連日連夜、命の続くかぎり開催。
「愚痴流」はグチの実家にたまる事から命名された。グチの実家は鍵もかけられてなく真夜中でも勝手に出入りができる便利な場所。グチのおじちゃんもおばちゃんも喜んでおぃら達を迎えてくれるんよ。





相変わらずなおぃら達は相変わらずなヘボぶり。初日は心友の光(あだ名)とグチと3人でクダらねぇ事を話ながらクダらねぇ歌を唄う。



真夜中の公園に行き何年か前に購入していた花火をした。腐れた思い出の数々に火をつけて花火をする汗臭い野郎共が3人。
真っ暗闇の中に燃えたぎる花火は美しすぎる。湿気たしょぼい花火でも火を灯せば沢山の螺旋を描く。
警察なんて恐くねぇ。ボヤ騒ぎなんて恐くねぇ。ケツの穴にロケット花火突っ込んで飛ばしてぇ気分だ。公園のすぐ近くでバイク乗り回して爆竹鳴らしてるイカレた女共に飛び蹴りかましてぇ気分だ。


おぃら達は近くの民家の壁に向けてロケット花火を打ち込むと言うなんとも勇敢な行動に出た。ロケット花火に火を点けようとするグチ。ライターの火がロケット花火にあたった瞬間おぃらと春君は猛ダッシュで車に駆け込む。真夜中の閑静な住宅街にロケット花火の大きな音が響きわたった。


「バーーーン!!」



急いで車へ引き返して来るグチに対し先に車へと逃げ込んだおぃらと光は車の鍵をかけグチを車に入れねぇようにしてからエンジンをかけ必死の形相で車のドアを開けようとするグチをおぃて車を飛ばしてやった。


公園の周りを1周してグチの所に行くとグチはマジギレしていて困ったもんだよ。冗談の解らねぇ奴だ。








なんでだろうな。別によ。特に何もしねぇんよ。可愛いい女の子がいるわけでもねぇ。なのによ。おぃらはこの「愚痴流」の空間が好きでたまらねぇ。落ち着くしよ。何も飾る事なく遠慮する事なくおぃらがおぃらのままでいれる場所。大人になるに連れて小さくなっちまうおぃらの心だけどね。「愚痴流」の空間にいる時にはおぃらは小学生に戻る。



毎回ね。おぃらは思うんだ。最後かもしれねぇ。もぅ2度とこの空間は存在しなくなっちまうかもしれねぇ。
だってよ。解らねぇモン。あたり前だなんて思えねぇモン。いつ死んじまうか解らねぇよ。何があるか解らねぇよ。帰る場所がある奴。帰って迎えてくれる奴がいる奴。それはね。あたり前なんかじゃないんよ。大切にしたい。大切にしてぇ。馬鹿みてぇに騒いでてもおぃらはどっかで失う事を恐れてる。

「あたり前」「絶対」「永遠」。そんな言葉が人と人との繋がりの中には存在しねぇならおぃらは大切にしてぇ。できるかぎり大切にしてぇ。もぅ2度と自分の大切な奴を何もしてやれねぇまま死なせねぇ為にも。



愚痴流はまだ続く。

今日のお薦めBGM=OKAMOTO'S「JOY JOY JOY