億万長者に憧れて

今でも信じられねぇ｡宝くじは夢を買うもの｡夢なんだよ｡だけどね｡夢は叶うんだな｡今でも信じられねぇ｡

押っ忍!!おぃらKUSOGAKING!!どいつもこいつも元気にしってか？
6月も残りわずかだよ｡早いな｡夏はすぐそこだもん｡浴衣のｷﾞｬﾙ｡水着のｷﾞｬﾙ｡夏服の女子高生｡夏の風物詩とも言えるそんな景色を早く見たいな｡

世の中はそんな夏のｷﾞｬﾙ達を尻目に格差社会だ｡ﾊﾞﾌﾞﾙ期を戦って来た団塊世代が定年を向かえ日本経済は上昇してきていやがる｡だけどね｡ﾊﾞﾌﾞﾙ期のように誰もが稼げるわけじゃなくてよ｡稼げる奴と稼げねぇ奴との差が見事に現れちまう格差社会さ｡

あんたが時給800円でｺﾝﾋﾞﾆでﾚｼﾞ打ってる頃にﾎﾞｹ面かましてたいして何もせずに何十倍もの金を稼いでいる奴がいるわけだ｡あんたが月1万円の小遣いで家計を支える為に汚ぇ汗垂らして働いてる頃に毎日ｷｬﾊﾞｸﾗ通って綺麗な女の子達と遊んでる奴がいるわけだ｡

悲しいな｡格差社会｡稼ぐか稼がねぇか｡稼げるか稼げねぇかだ｡どんなに幸せな奴でも貧乏なら格差の下の方になっちまうのかな？嫌な社会だ｡
この社会をどう乗り越えようかと考えたおぃらはある秘策に出た｡そうだ｡誰もが億万長者になれるかもしれねぇと言うﾄﾞﾘｰﾑｼﾞｬﾝﾎﾞ宝くじさ!!

販売最終日になけなしの金を出して10枚を購入していたおぃら｡今日､宝くじ売り場へと向かい夢の億万長者への道を歩み出した｡

当たるはずがねぇ｡
でももしかしたらよ｡
当たるはずがねぇ｡
でももしかしたらよ｡

おぃらの中の天使と悪魔が騒いでいやがる｡ﾄﾞｷﾄﾞｷが止まらねぇおぃらのﾊｰﾄを冷静に保ちつつ宝くじ売り場のおばちゃんに抽選結果を調べて貰う｡するとおばちゃんが｢えっ!!!!!｣っと急に大きな声を出して何やら慌て出しやがった｡

｢ちょっとお待ち下さいね｣とおばちゃんは何度も繰り返し抽選結果を確認していやがる｡おばちゃんの明らかにおかしい行動におぃらも同様してきた｡

｢おばちゃん｡結果どうだった？｣とおぃらが聞くとおばちゃんが小さな声で囁いた｡

｢1等は無理だったんだけどね｡凄いよ｡1等のね｡前後賞って言うのがあるんだけどね｡これに当選しましたよ｡おめでとう｡｣

｢え!?｣

正直ね｡何が起こったのか解らなかった｡信じられなかった｡心のどこがで当たるかもしれねぇとは思ってたよ｡だけどよ｡本当に当たるだなんてあまり思ってなかったもん｡
当選金を確認すると億万長者にはなれなかったけどね｡5000万円だった｡手が震えた｡心臓が高鳴りしだしてなんだか神様に感謝したくなった｡ありがとう｡ありがとう｡ありがとう｡

1万円を越える当選金は宝くじ売り場では換金できないらしくおぃらは一先ず車に行く事に｡
どうしたらいいんだ？
どうしたらいいんだ？
億万長者にはなれなくてもよ｡5,000万だよ｡家が買えちゃうよ｡車も買い替えれるよ｡ｷｬﾊﾞｸﾗで延長し放題だよ｡好きなもん食べて好きなもん買えてよ｡

どうしたらいいんだ？

どうしたらいいんだ？

そんな5,000万が当たった夢を見たおぃら｡現実はそんなに甘くねぇ｡おぃらの手元に来たのは小綺麗な100円玉3枚だけさ!!
もし本当に当たったらな｡きっと誰にも言わねぇ｡だって恐いもん｡金は人を狂わしちまうからね｡って事はよ｡もしかしたら本当に当たったのかもしれねぇな｡どっちだろうな｡

よくTVなんかで見る億万長者の大富豪｡あんな奴等を見ててもよ｡羨ましいなとかよ｡憧れたりするんだけどね｡なんだかね｡ﾘｱﾙじゃないんだ｡まるで自分とはまったく違う人間の様だ｡

金があるに超した事はねぇだろうよ｡金がないとやっぱり生活は厳しいもんね｡だけどよ｡そんなに贅沢は言わねぇよ｡宝くじだってよ｡1万円でも当たりゃあよ｡おぃらはきっと大はしゃぎさ｡
だからね｡お金なんて普通にあればいいよ｡そんな事よりもな｡おぃらは夢を叶えた時｡自分の家庭ができた時によ｡家族が笑ってよ｡幸せそうに笑っていられたらさ｡それでいいんよ｡
離婚しちまったりする夫婦がこれだけ多いい社会でよ｡愛に飢えた子供がこれだけ多いい社会でよ｡このｸｿｯﾀﾚた格差社会でよ｡それこそが本当の幸せだろ？そう信じたいよ｡

億万長者だけど孤独な人間｡たいして金もねぇけど家族に囲まれて幸せいっぱいな人間｡あんたはどっちがいいかい？おぃらはね｡もう孤独は嫌なんだ｡暖かい家族が欲しいんだ｡

だけどね｡おぃらはきっとこれからも宝くじを買うだろうよ｡どんなに幸せでも買うだろうよ｡億万長者に憧れてよ｡幸せな家庭を持つ億万長者に憧れてよ｡

今日のお薦めBGM=Mr.Children「デルモ」