独りぽっちの裸のメロDIEー

あんたは寂しくはないかい? あんたは愛に生きているかい? 僕はね。僕は生きてる。生きてるのに死んでる。 そんな独りぽっちの夜に逃げ場所を探し求めて、 「寂しがり屋日本代表」KUSOGAKINGが放つ愛と孤独と裸のクソッタレた言葉達。にゃんにゃん。

ラ・ヴィ・アン・ローズ

静かな静かな夜。車の中でおぃらは携帯電話をピコピコと打ちながら今これを書いている。たまに車の走る雑音がするけどそれ以外は何の音もしねぇ。静かな静かな夜。携帯電話の灯りだけがおぃらを照らしてやがる。なんだかね。胸にぽっかり穴が開いちゃった様なこの感覚におぃらは久しぶりに襲われちまった。綺麗なお姉さんにでも襲われたんならそりゃあいいよ。だけどね。おぃらを襲ってきやがるのは決まってこの感覚だ。孤独感。






例えば1人でいるのが好きな奴もいれば1人でいても全然平気な奴もいる。寂しくねぇわけはないと思うよ。だけどね。1人でも普通によ。それなりに生きて行ける奴をおぃらは羨ましく思う。おぃらは1人じゃ何もできない。恐い。恐いよ。息ができねぇ。






ふと学生の頃を思い出した。学生の頃は今より人ゴミの中に紛れる機会が多かった。学校に行けば沢山の人間がいてよ。車なんて無かったからよ。どっかに行くにしても電車に乗ったりバスに乗ったりよ。人ゴミの中によく紛れていた。

楽しくなかったわけじゃないんだ。友達がいてよ。彼女がいたりよ。音楽があってよ。バイトがあってよ。
だけどね。だけどおぃらはいつも人ゴミの中で思っていた。すました顔していつも思っていた。



「助けてくれ」「助けてくれ」「助けてくれ」「助けてくれ」「助けてくれ」「助けてくれ」



人ゴミの中に向かっていつも心の中で叫んでいたんだ。寂しかったから。寂しくて溜らなかったから。心のどっかにポッカリと穴が空いていてよ。満たされなかった。何を得ても誰といても満たされなかった。





小さな頃に開いちまったこの穴。いつかは塞ぐ事ができんのかな?





先日。50代後半の男性が市に生活保護を申請してよ。断られちまって「孤独死」しているのを発見されたらしいんよ。
孤独死」。凄い言葉だよ。誰にも気付かれずに死んじまうんだ。死んじまっても誰も気付かねぇんだ。そんな哀しい事はねぇよな。



独りぽっちで真夜中にぼんやりしてっとよく思う。「今おぃらが死んじまっても誰も気付かねぇだろうな」。そう思うと孤独感が増しちまう。恐くて恐くてしょうがなくなっちまう。


ある有名な学者の論文にはこんなのがあんだ。人は殺さなくても殺せる。それは存在を殺してしまうという事。
例えばね。誰かを殺しちまおうとしてよ。そいつに何もしなくてもよ。そいつの周り。親。恋人。友達。同僚。同級生。そいつの事を知っている人間。そいつと関わった人間を全て殺すんだ。それでね。そいつの事を知っている人間全てがいなくなっちまう。そしたらよ。そいつの事は誰も知らねぇんだ。孤独なんだ。生きててもよ。死んでてもよ。そいつの存在は無なんだ。




孤独死」ってのはまさにそうだね。そんなに哀しい死に方はねぇよ。





おぃらは贅沢かもしれねぇ。存在を知ってもらうだけじゃ満足できねぇ。たった1人だけでいいんだ。おぃらの全てを解ってほしい。知っていてほしい。
ここにいるおぃらも本当のおぃらだよ。だけどね。ここにいるおぃらだけがおぃらの全てじゃねぇ。たった1人だけでいいんだ。おぃらの全てを解ってほしい。知っていてほしい。きっとね。そうじゃないとおぃらの穴は塞がらねぇ。



ぽっかり開いちまった穴をおぃらは独りでは塞ぐ事なんてできねぇ。そんな時は上から蓋を閉める。するとね。またね。おぃらはおぃらじゃなくなっちゃう。



小さなおぃらでごめんよ。駄目なおぃらでごめんよ。それでもね。どんなに蓋を閉めても僕の蓋を開ける事ができるのは君だけだよ。

今日のお薦めBGM=THE STAND UP「夜明けの光」