夏の太陽の眩しさの下で浴衣娘がやけに眩しいな
どいつもこいつも元気にしてるかい?夏が凄い早さで通り過ぎて行ってんな。
海。お祭り。花火。カブトムシ。蝉。風鈴。かき氷。スイカ。蚊取線香。野外フェス。甲子園。夏休み。一夏の恋。水着を着た女の子。浴衣を着た女の子。
夏の風物詩も見納めになってくんだなぁ。
今日はおぃらの家の近くでも祭りがあってるみてぇだ。黒。紫。ピンク。黄色。紺。色とりどりの浴衣を着た女の子達がわんさかいやがる。浴衣を着た女の子達はどこか華やかに見えて輝いて見える。天使達だ。
そして天使を狙う悪魔な男共。ナンパをしたくてもできねぇおぃらは羨ましいよ。恥ずかしいからな。
この間ね。おぃらの親友、翔君(あだ名)が彼女と喧嘩したっておぃらに電話をしてきた。おぃらの周りの人全員にもイケ面君と言われる程イケ面君な翔君。
そんなイケ面君な翔君もナンパなんてまったくできねぇし浮気なんて絶対にしねぇ。口では軽そうな事言うんだけどな。行動は純粋な奴だ。
翔君は電話でおぃらに言ったよ。「嫉妬焼いてしまう自分が情けない」。
翔くんの彼女がね。同窓会に行ったり飲み会なんかに行くみたいなんだけどさ。やっぱりそこには男もいてよ。不安になるじゃない?
翔君の彼女は「普通の友達だから大丈夫」なんて言うみたいなんだけどね。
悪魔の男共と酒を飲み交わすなんて不安になるに決まってる。
おぃらね。翔君がそんな風に言ってきてくれてホントに嬉しかったんよ。
1つはそんな辛い気持ちの時におぃらに1番に電話をかけてきてくれた事。
もぅ1つは翔君がおぃらと同じ様に嫉妬焼いてしまう自分が嫌で落ち込んでる事を知った事。
小さな事かもしれないけどね。ホントに嬉しかった。
この前、DVDで「きみに読む物語」ってのを見たんだけどね。夏に出会った2人の若者が恋に落ちちまって愛し合っちまうラブストーリーなんだけどね。
いつも一緒にいていつも幸せそうだった2人。
でもな。彼はしがない町工場の社員。彼女は両家のお譲様。当然のように彼女の親に反対されちまって彼女は遠くの街に引っ越して行っちまって2人は離れ離れになっちまった。
彼が彼女に送った手紙なんかも彼女の親が隠したりしやがってよ。沢山のすれ違いから2人はそれから確か6年くらい会わないんよ。
そして彼女が他の男と婚約しちまった時に彼と再び出会っちまうんだ。
2人はみるみるうちにまた愛し合っちまう。長い間連絡さえ取らなかった2人。一夏しか一緒に過ごしてない2人。
だけどね。2人はお互いずっと愛してたんだな。
彼女はお金持ちでイケ面な婚約者よりも一夏しか過ごしてない貧乏で平凡な彼との幸せを取ったんよ。
そして何10年たったのか解らねぇけど2人は孫もいるおじいちゃんとおばあちゃんになっちまった。
おばあちゃんになっちまった彼女はアルツハイマー病でね。記憶が無くなってるんだけどよ。おじいちゃんになっちまった彼は少しでも記憶を思い出させようと2人の思い出を小説にして物語にして彼女に聞かせてあげるんよ。
そして彼女の記憶が少し甦った時に2人は静かに穏やかに病院のベットで手を繋いで死んで行ったんよ。
こんな2人はおぃらの憧れでもあるしね。理想の2人だよ。愛する人と一緒に死ねるなんてなんて幸せな事なんだろうな。
この夏の間に愛する人が見つかったあんた。恋をしちまったあんた。
「きみに読む物語」を観てみておくれ。一夏の恋だなんて言わせてやんなよ。
おぃらの目の前を通る浴衣娘達も恋をしてんのかな?お願いだから皆、本当の愛を見つけておくれ。
今日のお薦めBGM=Der'ree「Life」